CALENDAR
S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< December 2017 >>
ARCHIVES
CATEGORIES
MOBILE
qrcode
タンゴ・エジプシャン Vol ; 001


世界の静かな中心であれ・・・TANGO EGYPTIAN
   花と水のセラピー


つい先日までぴょんぴょんと跳ね回っていた子犬があっという間にぼく自身の年齢を超えてしまい、よたよた歩いている姿を毎朝じっと眺めながら散歩していると、自然、いろんなことが見えてきます。それが花であれば一瞬にして、ものの“いのち”の有様がそこにちゃんと整理整頓されて
いるようでなりません。

そんなことを考えているうち、エジプトの死生観や、標本箱にならんだような格好をしたヒエログリフが気になってしまいました。

天の女神のお腹から産まれた太陽神ラーは西の方にある口へむかって移動しながらその口へ入り、やがて体内をぬけて東の下腹部へと至り、朝、そのお腹からまた産みだされます。このくりかえしは「死者の書」のなかの死と再生の復活劇に適合していますが、バラバラにされたオシリスの身体をイシスがナイル川から一つづつ拾っては再生していったという神話とも重なりあって、エジプトの死生観をよく表していると思います。

昼の聖船や夜の聖船、空気(風)と水のはなしも好きですが、セラピストとしてのイシスの魔力だけはいつか金屏風の破れ穴からでもそっと覗いて見たいものです。この絵は、そんな花と水のものがたりです。







| 花鳥風月虹の詩歌 | 17:44 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
世界の静かな中心であれ Vol;011


世界の静かな中心であれ
    「夜と息(ポレン)」2017



アウシュビッツから生還した心理学者の手記「夜と霧」は背筋が冷たくなるようなホロコーストの記録ですが、ぼくの「夜と息(ポレン)」はのんきな絵です。

板橋区にある都立赤塚公園の周辺には武蔵野崖線がまだ多少残っていて、そこに咲いている野草をながめているうち、植物の手入れなどをしている環境ボランティア「みどりの手」の手伝いをするようになりました。春の妖精ニリンソウも終わって、これからの季節はヤマユリが咲きます。しかし、美しさのあまりに根こそぎ盗まれることもあり、今年は二、三本を確認する程度です。

そんなヤマユリの花心に鼻面を近づけたりしながらクンクンやっていると、遠い夏の日のことを思い出します。一の谷、二の谷、三の谷を超えたところに沢があって、その先に洞窟があり、ぼくたちはそれをマンボウと呼んでいましたが、そのマンボウを素足でじゃぶじゃぶ歩いていると、水の匂いとまざりあっていい匂いがしました。強い香りを放つ花がきっとどこかで咲いていたのでしょう。

甘くなまめかしいヤマユリは、この夏、だれからも穢されずにぼくを待っていてくれるだろうか。






| 花鳥風月虹の詩歌 | 22:05 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
世界の静かな中心であれ Vol;010


いやはての
少年るろう王「白あざみ、断章」Vol;010



たんぽぽの
たねさんが
かぜにふかれて
とんでゆく
ぼくもあんなにとべたなら
じゆうにおそらがとべたなら
このたたかいのきおくから
わすれたうたをおもいだす
うつろなるやまやまの
みずきよきふるさとよ
こぼれゆけ
こぼれゆけ
ひかりのなかで





| 花鳥風月虹の詩歌 | 12:54 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
世界の静かな中心であれ Vol;009


輪 華
少年るろう王「白あざみ、断章」Vol;009



ある朝、タケルはおかあさんの鏡台にむかって座っていました。おかあさんは、「鏡はじぶんの姿を教えてくれる大切なものですから、いつも磨いてカバーをかけておくものですよ。」と、よくいっていました。ですから、赤い花柄の布を開くときはどきどきしましたが、いまはへいちゃらです。あちこちの引き出しを開けたり、じぶんの顔を映したりしていましたが、とうとう眉墨をみつけだし、いたずらをしはじめました。モミアゲをふとく描いたり、ヒゲをどんどん描いていきました。これは前からいちどやってみたかったことで、もうりっぱな英雄です。いさましい心の状態を鏡にみとめてもらいたくって、タケルは腕を組んだり、胸をグッと張ってみました。

「ばぁ〜か。」

鏡のなかで兄が笑いました。
タケルはカッとなって、さっきまでの“英雄”からあまのじゃくの鬼ッ子になり、引き出しにあったナイフで兄を殺してしまいました。あんなに輝いていた鏡は、心は、古い銅鏡のようにみるみると錆びていきます。おそろしくなって、タケルは家を飛び出しました。

丘にのぼって泣いていると、「ぽとり。」と音がしました。花の落ちる音です。眉墨でぐしゃぐしゃになった顔を音のしたほうへむけると、あちこちにつばきが落ちていました。さっき落ちたばかりの美しいのや、枯れてうす汚れたもの、人に踏まれてぺしゃんこになっているものや固いタネがぱらぱらと散らばっています。

「りんねてんしょう。生きて、朽ちて、また蘇れ。」

さっきじぶんが殺してしまった兄、兄はどのようなものに生まれかわるのだろうか・・・じぶんはゴミムシだとおもったが、このとき、白鳥に生まれ変わることをタケルはまだ知らなかった。





| 花鳥風月虹の詩歌 | 21:26 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
世界の静かな中心であれ Vol;008


世界の静かなド真中であれ    
少年るろう王「白あざみ、断章」Vol;008



その男Mは黒い学生服の第一ボタンをいつも外していた。ワザとではない。胸板が厚すぎたのと、学生服のサイズが人並みであったからなんだ。したがって、両腕は鳥が空を飛ぶかのごとくにハの字の格好をしながらも、両の拳はしっかりと握られていて、いつでもひとりぼっちで歩いていた。

学園の校庭の隅には小川が流れていた。その小川にそって、巨人兵のように背の高いポプラの樹がずらっと並んでいて、Mはその樹の下をよく歩いていた。三つほど先輩だったから、わたしがやっと高校生になったとき、Mの姿を見つけることはできなかった。

その後わたしはデザインの勉強のために上京し、やがて、デザイナーとなった。最初に務めた会社は四谷本塩町自衛隊正門前の眼前にあったが、その日は朝からヘリコプターの音がうるさくてならなかった。それでも仕事に追われながら一日はどうにか終わったが、翌朝、朝刊をみてびっくりした。全面黒々としている新聞に、作家三島由紀夫とともに先輩Mの名前が刷られてあって、割腹自殺したという文字が踊っていた。

ワッ! 世界の静かなド真中であれ・・・しばらくして、わたしはその会社を辞めた。







| 花鳥風月虹の詩歌 | 14:19 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
世界の静かな中心であれ Vol;007


フランダースの草原にて      
少年るろう王「白あざみ、断章」Vol;007



異国の野に赤いケシ畑があると聞く
フランダースの草原で満開になった赤いケシの花
戦争で死んでいった兵士たちの血の色なんだ
「ぼくらはこの地上に生きていた」と
雨が 雪が 風が知っている
人々からは忘れさられたケシの花だったが
いのちの種は闇から光へとのびて
長く冷たい夜の眠りから目を覚ます
殻を砕き 花を咲かせる


雲が 霧が 虹が知っていた
そのことを 一匹の蛇が知っていた

蛇は自分のちいさな甲冑(うろこ)を脱ぎすてて
すっくと立ち上がりながら
赤い花々に挨拶をする
「ぼくの恋人よ」と
すると花々が
眼には見えぬものごとを悟り知る者よ
花々は「イェイツ」と蛇に渾名して
フランダースの草原にて三つの星を指し示す
朽ちて 果てて 蘇れ と






| 花鳥風月虹の詩歌 | 16:18 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
世界の静かな中心であれ Vol;006


堕天使イカルス      
少年るろう王「白あざみ、断章」Vol;006



陽はすっかり沈んでしまったが、目的地へはまだ着けそうもない。急がば回れという戒めをわすれ、近道しなければと思ってこの山道を選んだ。ところが先へいけば行くほど真っ暗になって、さっきからもうずいぶん走ってきたのに対向車にはまだ一度も出会っていない。心細くなったが、オートバイはわたしなんかよりよほど利口に造られていて、行くべきところへ行こうとしていた。エンジンは狼のようにガオガオと唸り、気化器は生きもののような息づかいをしながらクスクスと笑い歌っている。耳をすませば楽しくなって、アクセルをまた元気いっぱいに開いた・・・

あれは遠いむかしだったろうか。

生駒山の上から大阪の夜景を眺めたことがある。ひろびろした地平線いっぱいに点在する街の明かりが色とりどりな糸で織られた魔法の絨毯のように美しく輝いていた。それはまるで、夜にみる夢の中の青空をいつもぬりつぶしてしまう満天の星々のようであって、煌めきはこの世とあの世を往き迷うわたし自身のnegaがぬっと現れでたかのようなザワメキをもって光っていた。

空に浮くものが堕天使のように焼かれながらこの地上へ落ちなければならなかったとき、イカロスの眼に映った自身の影の明るさとは、ざっとそのような黒さであったろうか。(堕天使イカルス)






| 花鳥風月虹の詩歌 | 22:49 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
世界の静かな中心であれ Vol;005


世界の静かなド真中にて      
少年るろう王「白あざみ、断章」Vol;005



  白あざみ罌粟

父は馬賊の頭目だったと聞くが
その強さをしらず
母は・・・
母は罌粟子と呼ばれていたそうだが
その匂いをしらず
たくましさもやさしさもしらずに
いまとなっては
父の名も母の名も忘れた

冬 青空すぎて
デュポンがこきゅんと響く金属音の風の中
タンデムシートを装着していないソロに乗って
ここ にんげんの街を通りすぎ
白あざみけしの花が群生している丘を超え
過去も 未来も 現在もなく
刹那さえも 
逃れゆくふるさとはなし

あるはうるわしき火の 
絹の・・・
むらさきいろの黄昏の中を
鬼棲む森へとむかって
面箱の蓋をあけちらし明け暮れる






| 花鳥風月虹の詩歌 | 16:19 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
世界の静かな中心であれ Vol;004


世界の静かなド真中にて      
少年るろう王「白あざみ、断章」Vol;004



  ダダ

孤独な部屋には白い花がにあう時代がありました
紙きれのようにさみしくっても
うとうととどことなく崇高な孤独にたえて
もやもやした夢をたべながら眠っていられた

ところが だだ・・・だ

のいずばかりがばかみたいに多いたいらなる時代
うそっぱちでちぐはぐで
悪事をはたらいても恥じることを知らぬがらくたに
くいつぶされていく孤独がだれる

なんとも だだ・・・だ

白い花はどこへ飛んでいったのだろうか
あの孤独はもうどこへ飛んでいったのだろうか
おい! つばを吐け
森の奥深くへ つばを吐いてみせろよ






| 花鳥風月虹の詩歌 | 10:56 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
世界の静かな中心であれ Vol;003


世界の静かなド真中にて      
少年るろう王「白あざみ、断章」Vol;003



光がくいつぶされ
たとえなにもない人生であっても
世界のしずかなド真中にて
自然は調和したがっているのだから
そのことを知れば
こころはやすらいできて
ぼくは しあわせ






| 花鳥風月虹の詩歌 | 11:50 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
<< | 2/29PAGES | >>