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打ち放たれる音
 学生だったころ、「夜店で売っている銭亀のシッポに焼ヒバシの先をあてると、亀は驚いて甲羅を脱ぎ捨てて逃げてゆく、その肉の塊は蜥蜴となり、残された甲羅はベルトのバックルとして使用できる。このバックルがそれだよ。」と言って、上野のアメ横で買ったインディアン・スタイルの地味なバックルを見せて、クラスメートを笑わせたことがあった。いま考えるとなんともアホな話しである。

 ところが昨日、創形美術学校の一階にあるガレリア・プントというギャラリーで打楽器奏者の石坂亥士氏から彼の楽器を見せてもらったとき、忘れていたアホな昔話を思いだしてしまった。

 彼はメキシコ産の亀の甲羅を首からぶらさげて太鼓とし、月山で見つけた鹿の角をバチ代わりにして叩く。
   
     〉〉〉ポコポコ カコカコ〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈
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 と、不思議な音を披露してくれた。
 亀の甲羅は腹の部分を表にして叩くのだが、首のあたりは甲羅が厚いせいか低音で、シッポのほうへ向うにしたがって音は高くなる。たぶん、薄いのだろう。甲羅の腹を自在に叩くことによってさまざまな音色を楽しむことができて、実に素晴らしい楽器だと思った。しかし、見よう聴きようによってはとてももの哀しい楽器である。こんなものが楽器になるのであれば、人の頭蓋骨も木魚のようにポコスカと叩かれて、舌のない口で未練をぐちぐちぺらぺらと語るのかも知れない。
 シャーマンとは、そうした音色を聞きわけることができ、話すことのできる人なのであろう。石坂亥士氏とは、そうした人であった。
| 音楽 | 00:01 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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