CALENDAR
S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     
<< August 2020 >>
ARCHIVES
CATEGORIES
MOBILE
qrcode
<< ベアト・アンジェリコの翼あるものと受胎告知 | main | ギリシャ悲劇的ジュビナイル・ロマン「空白ノ王国」 Vol_002 >>
ギリシャ悲劇的ジュビナイル・ロマン 「空白ノ王国」 Vol;001



長雨の侯、美しい日本の四季は狂いだし、各地で災害が生じて、この国はいまや疲弊しています。しかし、それにも加え、地球規模で蔓延する昨今のコロナウイルスによる感染病の行末は、いまだ不透明なままです。息苦しいマスクのせいばかりではなく、胸が塞がる思いです。経済・重税・インフレ・災害・疫病・経済戦争あるいは戦争と、潜在する不安ばかりが広がります。

さて、この度「ギリシャ悲劇的ジュビナイル・イコン」と称するライフワークを始めました。見て戴ければと思い、H.P.に掲載しました。普段は寺男をしておりますので次回の通信がいつになるかは分かりませんが、第一回目は「降りてくる手」という絵に「始祖鳥の子どもたち」という詩でもって制作しました。尚、初回ですので「口上」らしきものを添えました。

             *  *  *

   「口 上」

遥かむかしのことを知る術はないが、紀元前1200年前トロイア王国が灰塵と化したその日、老いた王女へカベは人減らしをもくろんだオリンポスの神々や、トロイア侵略戦争を仕掛けたギリシャ人にむかって有罪判決を叩きつけるがごとき呪詛を吐く言葉が、今の私には身に沁みてならない。「その果てに、おまえたちは死に絶えるのだ、一人残らず。神々さえも」と嘆く。勝ち誇ったギリシャ軍の男たちで無事に祖国へ帰れたものは稀で、帰ったとしても悲惨な死が待っているだけだった。
けれども陥落前夜に父を背負ってただ一人城をぬけだしたトロイア側の王子アイネイアスは生きのびて、ローマ建国の祖となった。その間に多神は滅びつつ、旧約聖書は完成する。旧約聖書の完成から400年後には、イエス・キリストが降誕し、奇しくもその降誕の27年前、古代ローマはローマ帝国へと成立した。

私はこの一千年もの間を「空白ノ王国」と呼んで楽しんでいるが、渾沌としていたであろう時空を、ギリシャ軍の総帥アガメムノン大王の息子オレステスにつきまとっていた復讐女神の化身〈虻〉の狂気とつきあいながらも、今日の閉塞感ある街をデタラメに歩いてみたい。



ギリシャ悲劇的ジュビナイル・ロマン
Icon_降りてくる手(部分)
606×455mm 2020
acryl gouache
poem_始祖鳥の子どもたち



   「始祖鳥の子どもたち」

天空の朝明けから、かぼそい骨を持った翼あるものが「ちきちきちき ちきちきちき」と啼きながら降りてくる。だれを呼んでいるのだろうか、ぼくは死んではいないのに・・・と独りごちってみた。するといきなり、影が鳩尾を通り過ぎ、横隔膜を通り過ぎていった。わたしは少女ではなかったが、その日以来、そらまめのような形をした卵がふくれあがっていった。けれども、孵化はしなかった。ただ、水溜りやぬかるみを渡るとき、ふぁッと浮きあがることがある。そんな日はきまって良い息抜きができていて、新しい太古への旅立ちが待っている日であった。



*「ベアト・アンジェリコの翼あるものと受胎告知」.....関連記事です。
      http://blog.michihico.com/?eid=1018684





| ギリシャ悲劇的ロマン | 12:31 | comments(0) | - | pookmark |
コメント
コメントする