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ロマン・ド・ラ・ローズ #001.


暑中お見舞い申し上げます。


  「薔薇の盗賊」

動物であれば鼻のようなもの、
どす黒い煙突へ『雙頭ノ鷲』の紋章をいただいた
「カイゼリン・エリザベト」と読まれる軍艦の甲板にて、
男は深紅に彩られた一冊の本をひろう。

城のような 
宮殿のような
閉ざされた軍艦

甲板を、
カタツムリのような足取りを残して
ひとり消えてゆく
婦人。

本の持主こそ、かの婦人にして、
オーストリア=ハンガリー二重帝国の麗しき皇女。
エリザベト・フォン・ヴィッテルスバッハ
黒衣の人であった。

(黄昏に咲くバイエルンの薔薇一輪)  

節くれだった指にて磨する
馥郁たる薔薇のごとき
一輪一冊の本に触れた男、
「LE MONDE ANCIEN」とは無学にて、
ちぐはぐに身悶え、唯、うち震るる。

噫…… こんなにも疲れきった、
青い作業服を着て生きる男は水夫にしてかの人のシモベ
「カイゼリン・エリザベト」号のボイラーマンです。
されど、薔薇の盗賊にして
シュルレアリストなり。
              〈 C o r a z ó n 〉より





| C o r a z ó n | 16:47 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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