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イリアス・オデュッセイア/復讐女神エリニュスの島


投げた槍がトロイアの喉元へ当たれば地中海の覇者になれると踏んで旅にでたその男は、テキ屋まがいの家業で一世を風靡したが、故郷へ帰ることもできず、海に浮かんだちゃぶ台のような小島を点々と彷徨いつづけていた。大親分のアガメムノン大王も、舎弟も、鉄砲玉の子分たちも死んでしまって、いまはひとり船をこぎすすめながら帆を操って生きのびていた。

そんなある日、海の真中をいっぴきの蠅が飛んでいくのを見つけた男はポンと膝をたたいて、金色にかがやいた大きな蠅のあとを追った。運よく、イドラ島へ辿りついた。が、ところで、さてさて、頭脳明晰な現代人のあなたは思うであろう・・・この島はその男の神話伝説には登場しないと。しかしながら19世紀末に古代のごみ捨て場からみつかったオクシュリュンコス・パピルスの文書には「復讐女神エリニュスの島」とおぼろ記されてあったのだ。復讐女神エリニュスとは親を殺したり偽りの誓いをする罪にたいして復讐をする女神として知られているが、数は不定で三女神とも多数神とも呼ばれていた。話をもとへ戻し・・・

男はなにも知らずその島へ上陸すると、うすももいろにふくらんだラフレシアのような肉体をもった女がごつごつした岩のてっぺんに横たわっていて、混沌という名のカクテルを飲んでいた。聞けば、ミケーネのアルゴスからイドラまで南下したばかりだったので喉が渇いたといいながら、さっきの蠅の正体はわたしだと挨拶した。男も挨拶すると、女神は「ペーパーナイフ投げ師オデュッセウスのことならなんでも知っているよ」といって笑った。それから、アガメムノン大王を殺害した王妃と情夫に復讐すべく、姉エレクトラとともに実の母親とその情夫を殺して仇を討った弟オレステスにグロテスクな呪いをいまかけてきたばかりだといって、また笑った。(ぼくのイリアス・オデュッセイアより、絵は「オデュッセウスとラフレシア」2018)






| ないない王のオデュッセウス | 15:06 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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