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夜や暗き道や… 紀 友則
探 戈 日 暮 ら し の 記 +
   タンゴ・ヒグラシィーノ Vol; 0003




















宿











・・・・・・紀ノ友則(きのとものり)






まずもって、疑問と濁音の多い惑いの歌だ。暗いぬばたまの夜の空の鳥の道の行手をうしなったホトトギスが、作者である紀友則の屋敷か宿かはわからぬ辺で啼いている。作者自身も、自分の家へまっすぐには帰れない何か趣があるような、やはり惑っている。それへ六つの濁音が畳みかけてゆく…。なんと息苦しい歌だろうか。 

私がまだ中学生だったころ、『シャボン玉ホリデー』というテレビ番組があった。ザ・ピーナッツがメインになって歌って踊る元祖エンターテイメントなショー番組で、多感な少年時代に夢やインパクトを与えてくれたとても楽しい番組だった。そのころ、これといった目的もなく、腰にノコギリと鎌をぶらさけながら愛犬のシロとともに野山をほっつき歩いていた時期に、この番組からなんとなし一筋の光のようなものを見出していた。たとえ裏方であっても、黒い服を着て踊るバックダンサーになりたいと願った。しかし情報のない田舎暮らし、まだまだダンスは軽薄なものであって、男のやる職業ではなかった。そんな時代、まわりの意見をはねのけるほど私はいまだ強くなかった。

この歌が指し示している濁音の多さは、ダンサーになろうとしたことがたんなる憧れでしかなかったような、そんなおぼつかない自分自身の夜のごとき暗い惑いのギザギザを思いおこさせる。だからこそ老残の身となった肉体や精神へ、おじいちゃんのボクからあのころのボクへ心ばかりの贈物をして上げている。



     https://www.youtube.com/watch?v=VkkaT20fOmY





| タンゴ・ヒグラシーノ | 12:05 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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