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原體剣舞連
T a n g o・D A D A s c o・d a h・d a h   v o l;o o o1





「原體剣舞連」 宮沢賢治

   dah-dah-dah-dah-dah-sko-dah-dah
こんや異装〔いさう〕のげん月のした
鶏〔とり〕の黒尾を頭巾〔づきん〕にかざり
片刃〔かたは〕の太刀をひらめかす
原體〔はらたい〕村の舞手〔おどりこ〕たちよ
鴇〔とき〕いろのはるの樹液〔じゅえき〕を
アルペン農の辛酸〔しんさん〕に投げ
生〔せい〕しののめの草いろの火を
高原の風とひかりにさゝげ
菩提樹〔まだ〕皮〔かわ〕と縄とをまとふ
気圏の戦士わが朋〔とも〕たちよ
青らみわたるこう気をふかみ
楢と掬〔ぶな〕とのうれひをあつめ
蛇紋山地〔じゃもんさんち〕に篝〔かゞり〕をかかげ
ひのきの髪をうちゆすり
まるめろの匂のそらに
あたらしい星雲を燃せ
   dah-dah-sko-dah-dah
肌膚〔きふ〕を腐植と土にけづらせ
筋骨はつめたい炭酸に粗〔あら〕び
月月〔つきづき〕に日光と風とを焦慮し
敬虔に年を累〔かさ〕ねた師父〔しふ〕たちよ
こんや銀河と森とのまつり
准〔じゅん〕平原の天末線〔てんまつせん〕に
さらにも強く鼓を鳴らし
うす月の雲をどよませ
  Ho!Ho!Ho!
     むかし達谷〔たった〕の悪路王〔あくろわう〕
     まっくらくらの二里の洞
     わたるは夢と黒夜神〔こくやじん〕
     首は刻まれ漬けられ
アンドロメダもかゞりにゆすれ
     青い仮面〔めん〕このこけおどし
     太刀を浴びてはいっぷかぷ
     夜風の底の蜘蛛〔くも〕おどり
     胃袋はいてぎったぎた
  dah-dah-dah-dah-dah-sko-dah-dah
さらにただしく刃〔やいば〕を合〔あ〕わせ
霹靂〔へきれき〕の青火をくだし
四方〔しほう〕の夜〔よる〕の鬼神〔きじん〕をまねき
樹液〔じゅえき〕もふるふこの夜〔よ〕さひとよ
赤ひたたれを地にひるがへし
雹雲〔ひゃううん〕と風とをまつれ
  dah-dah-dah-dahh
夜風〔よかぜ〕とどろきひのきはみだれ
月は射〔ゐ〕そそぐ銀の矢並
打つも果〔は〕てるも火花のいのち
太刀の軋〔きし〕りの消えぬひま
  dah-dah-dah-dah-dah-sko-dah-dah
太刀は稲妻〔いなづま〕萱穂〔かやほ〕のさやぎ
獅子の星座〔せいざ〕に散る火の雨の
消えてあとない天〔あま〕のがはら
打つも果てるもひとつのいのち
  dah-dah-dah-dah-dah-sko-dah-dah






| タンゴ・ヒグラシーノ | 12:05 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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