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藤原北家贋縁起物語 Vol.035_03

ワニ皮の男と金魚のポピンズ「水と海水」第三話 Vol.03

  ふふ 兄さんのしらないお話しをしてあげましょうか
  飛ぶ鳥のあすかふぢはらの宮
  そのお宮からひとりの男がここへやってきて
  だれのものでもなかった母さんが
  その男のものとなった
  七〇〇年ごろのことだろうか
  いや もうすこし前だったかもしれないが
  母さんのしろい腹の上で
  男は毎夜毎夜 
  けものじみた声をあげ
  母さんの内股に残っていた
  昼のあいだのなまあたたかき潮水を
  さも大事そうに ちびりちびりと嘗めまわしていた

  母も ああ! と叫ぶ

  そんな夜がいくたびもつづき
  とうとう母さんは身妊った
  男 涙をながしつつよろこんで
  ついにその男その正体をそこであらわにあらわして
  「われはふぢはらの鎌足が子、いな天智天皇の皇子………
   いないなやっぱりふぢはら鎌足が子の不比等とおもわるる?」と
  なんとも情けなき告白にて
  母さんは耳もたずして十月十日後
  くだものの実が熟れはじめるはつ夏のころに
  海辺へ建てたの産小屋にて男の子を生んだ
  兄さん
  西瓜のような赤子の兄さん
  蔓のさきの蔕(へた)に
  もひとつちいさな実があったのをご存知か?
  ねえ 兄さん
  ちいさな実があったのをご存知か?
       *

(日刊、時々休刊『妖精新聞 第三話』好評連載中!)つづく






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