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白夜行

デジタルからケハヒまで・・・GAIA corazón


  「白夜行」 

ぬばたまの
暗黒の果てのステーション
イワンノフ・オルフェウス博士は
月へ辿り着くことなく死んだライカ犬
クドリャフカの哀れを偲び
宇宙塵となった犬の骨を拾う
博士は「反魂の秘術」を東洋の高僧から学んだが
その秘術をもって
クドリャフカの骨をつなぎ
人間人形ハル61216号を造った

博士が所属するステーション内の実験室は
スペクター財団の息の根のかかる
宇宙空間国家安全諜報機関ではあったが
クドリャフカの無念と慰安をかね
かねがね考えていたことを
博士が実現したまでのことであった

さて
どこを漫遊旅行させるか思案したが
博士の師匠である四条大納言某の住む処
おうごんの国ぢぱんぐがよかろう……
そう決めてロケットへ乗せる
余談ではあろうが
61216号の「ハル」とは
春に甦れ!
滑稽千万だが
博士にウソはなかった

さてもさて
浮草のような青い星のガイア
そのたそがれ時
人間人形ハル61216号はやんごとなき
四条大納言某邸の庭にあらずや
博士がちと算術を間違えて
到着時刻がやや遅れ
おまけに場所も間違えた

ここいら一帯はもと六波羅探題
珍皇寺の古井戸の蓋がパカと開いて
ハルは六道の辻へでんぐり返った
辻からまたすっころんで
蜜寺の門前で
柔らかな
リアリズムとぶつかり止まる
緋の鼻緒の白い脛

歩き巫女やら出雲のお国
飛んだり跳ねたり法悦の汗かいて
泡吹くジジイは赤十字
あとから検非違使やってきて
ジャリンコ自転車餓鬼ども走り
犬ネコ畜生 修羅雪姫も走り去る
御簾車も走り去る

「コンコンチキチキ、コン、チキチン!
 けったいな人形のボンちさん。
 早う早う、この輪〜に入てぇな。
 コンコンチキチキ、コン、チキチン!」

ひらひら舞い舞う勧進蝶をはべらして
遊行上人さんが踊ってござる
僧カミナンド・ゴタン・オエステ
お上人さまが踊ってござる
おうごんの国の街角の
この六道の辻(スクランブル)はなんて俗々しく
なんて愉快なところだろうか
ハルは自分がシベリア産のライカ犬
     クドリャフカであったことを忘れ
超強精剤のCRC.5_56でウガイすると
すっくと立ってすっくと踊った






| C o r a z ó n | 12:19 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
ホールネス症候群

デジタルからケハヒまで・・・G A I A c o r a z ó n


G A I A c o r a z ó n
  「ホールネス症候群」

目の玉をオペした
よく見えないまま森を歩く
タテ駈けるヨコ駈ける奥行き
どんどんこ歩いていって
ときに木々の円周にそって旋回する
阿! 宇宙飛行士のようにふうわりふうわり
ウマノスズクサの毒を喰ろうた麝香鳳蝶が
絶対歓喜しながらユーゼン幽霊のよう
ゆうらりゆうらり飛んでゆく
鳥辺の森の底辺一帯に
電波は届かない
無重力だなと思った






| C o r a z ó n | 20:48 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
鬼アザミ考

デジタルからケハヒまで・・・G A I A c o r a z ó n


 「鬼アザミ考」

ぼくはケータイ・ショップで働くロボットです

「よう、つるつるした白いあんちゃん」
「いらっしゃいませ、全面的にウエルカムです」
「あのさぁ、あっちむいてホイのこっちむいてホイ。
 赤あげないで白あげてホホイのホイ。あっちむかないで
 こっちむいてホイ」
「・・・・・・・・・・・」
「おめぇ、全面的ウエルカムだろう。しっかり働けよなぁ」
「・・・・・・・・・・・」
「沈黙したまま固まっちまったぜ。再起動かますぞー」
「・・・・・・・・・はぁ、はい」

ぼくは清く正しく美Cく生きていますが
しっかり反応ペコペコしなくてはなりません
「いらっしゃいませ。いらっしゃいませ。お客様は神様です」
なんちゃってるのも不自然ですが
あれはいつであったろうか
純喫茶『羅生門』に置いてあった古雑誌でみつけた
赤グロい絵姿の〈まつろわぬ者〉
吽? あんなケッコーな花になっても見たい






| C o r a z ó n | 14:02 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
ライカの亡霊

デジタルからケハヒまで・・・G A I A c o r a z ó n



 「ライカの亡霊」

地球は青かった…… とは
(ライカ)クドリャフカの見た夢でしかなった

風のように 露のように 
失われゆく青い惑星へ
かえりたかったが かえれない
やれ いたはしの
(ライカ)
クドリャフカ
地球はどんどんこだんだら黄色くなって
汝の細い首輪だけが浮いている

汝は宇宙の果てで星となり
いまも すうと輝く






| C o r a z ó n | 10:05 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
雨の中の涙

デジタルからケハヒまで・・・G A I A c o r a z ó n


 「雨の中の涙」

ながれ星と衝突した
宇宙戦艦ポチョムキンは
オデッサ・ステーションへ寄港する

ステーションには花が一輪も咲いてなかったが
精神医学チームの実験室には赤い造花が飾ってあって
人間人形ロボットHAL_61216番はそこで生まれた

脳を肥大化させたチップを詰められたHALは
青い惑星ガイアへ送られたが 使命は謎

(機械シェパードとなってパトロールせよ!)

雨が降りしきる美しい惑星
そんな街角のカウンターでホット・ココアを飲みながら
HALは『ライフ』という古い雑誌をめくった

そこで“鬼”という言葉をみつけたが
人工知能にその意味も言葉もなかった
鬼とは「まつろわぬ者」……

HALは 
この鬼に嫉妬した






| C o r a z ó n | 16:46 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
ロマン・ド・ラ・ローズ # 008



  『金のつぎの銀は雪』

雪はなにもなかったかのように降っている
光はまぶしかったが
かしこい狼はいつだって眼をそらす

そんな光のさきに昨日までそびえ建っていた
金の王国が一晩のうちに滅んだ

それへつづいて銀の王国が栄えたが
これもいつしか滅んでいった

金のつぎの銀は金でなければならないという夢伝説を
人はかぎりなく手探りしていたが

金のつぎの銀は雪であればいいのだと
くらやみからふりかえった狼がつぶやいていた

胸に八つの乳房をぶらさげて
たったいっぴきだけのこどもを孕んだ狼
生きてあるもののわたしとして

          〈 C o r a z ó n 〉より






| C o r a z ó n | 11:32 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
ロマン・ド・ラ・ローズ # 007. 




  『パラダイスより遠く』

こころが大きくはばたくとき
サーベルのように煌めく
黒い蝙蝠傘の鉄芯へ硬く結んでおいた
血で染まるリボンの帆をなびかせ
わたしは渡海する

風の無頼たちを手下に従え
艤装されたパラソルの小舟に乗り込んで
祖国とよばれる
パラダイスより遠くはなれ

          〈 C o r a z ó n 〉より





| C o r a z ó n | 12:54 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
ロマン・ド・ラ・ローズ # 006.



  『ゆりしすろうれらい』

鼠よ 太いロープを綱渡れ
そっくり返ったネズミ返しを乗り越えろ
そしてまだ見たことも
聴いたこともない
黒ずんだ一枚のレコードのような
古い港街を彷徨い歩こう
小径はどこまでもずんずんと
細く曲がりくねって暗いだろうが
奥地は柔らかな雨に濡れていて
かぎりなく自由だから
また人魚たちが歌ってるから


          〈 C o r a z ó n 〉より





| C o r a z ó n | 10:34 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
ロマン・ド・ラ・ローズ # 005.


PCのキーボードが突然、動かなくなってしまった。キーを叩いたり吹いたりしてたら使えたが、またもぐっすりと眠ってしまった。そうしたら、ヘンな詩が降りてきた。



    『眠るバンドネオン』

ころがりおちる夏の太陽と
秋の月が
黄昏のあわいを求め
変わることのない彫像の上で
オデコごっつんしながら鬼ゴッコしてる

(おれの季節だ! 
    わたしの季節よ!)

見知らぬ街の路上では
なまぬるいビールを飲みすぎた男が
膝の上へ古いバンドネオンをのせたまま
迷路の中で
ただ深い眠りを眠ってる

ドミファ・ドミファ・プシュー
ドミソ・ドミソ・プシュシュー

(おや? おやッ!)

穴のあいた蛇腹へやぶれ風が流れ
貝と骨のボタンが踊り
かすかに息づいた夢のリードが震えてる
ハーフ・ハーフ・プシュシュー
ヘーフ・ヘーフ・プシュシュー





| C o r a z ó n | 14:36 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
ロマン・ド・ラ・ローズ # 004.



   「クロノス・ポイント」

    ふと足を止める。
皇 妃 「私、青ざめた顔していないかしら?!
    胸が痛いの…」

    (一八九八年九月十日正午過ぎ、
    レマン湖畔にて
    無政府主義者ルイジ・ルケーニによって
    エリザベート皇妃殿下暗殺さる)

       vs

    プラハ*にて。
カフカ 「来るものがいる 行くものがいる、
    別れるものもいて しばしばそれは永遠の別れ」

    (一八九八年十一月二〇日夜、
    冷たくさびしい袋小路の壁へ額を打ちつけ
    フランツ・カフカは二行詩や夢、戯言を綴る。
    フーゴー・ベルクマン記念帳へ)

蛇 足 *カフカは、オーストリア=ハンガリー帝国領の
    プラハに生まれる。
             〈 C o r a z ó n 〉より





| C o r a z ó n | 17:49 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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