円環の森

                     スワンスキン「なきむし、こむし」より部分



| 揺らぎの場 | 21:06 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
なきむし こむし

                     スワンスキン「なきむし、こむし」
より部分



| 揺らぎの場 | 12:36 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
天使


昨晩は聖路加国際病院礼拝堂にあるフランス=マルク・ガルニエ社製のパイプオルガンの響きに包まれてきました。

パイプオルガンは礼拝堂の後方上部に設置されているがため、オーディエンスであるわたしからは演奏者を見ることができません。それがために、音はよりイメージのフォルムを形取って、あるいは、楽器がオルガンということもあってか、たえず風の中を飛んでいるような、そんな体験をすることができます。

夕の祈りを過して外へでてみると、雪が少し降っていました。

雪は人の心をなんと優しくしてくれるのだろうか・・・まるで天使のようにひらひらと、汚れちまったこの人間界へ降りてきてくれるもの。



| 日々のアブク玉 | 01:15 | comments(4) | trackbacks(0) | pookmark |
十二番目の切り札/吊られ男


おやつの袋を逆さまに叩きながら
袋の中をのぞきこんでいる子供がいる
しかし なにもでてこない
事のしだいは手品のようにはいかないが
なおも真剣に振りつづけていた
自分がすべてを喰いつくしたことも忘れて
裏切られた思いに駆られながら
飛び出しもしないハトを飛ばそうとしている

とつぜん 眩しい太陽が雲間から顔を出して
公園のハトが子供の頭上を飛翔した

おや! 子供はなにかを見つけたかのように駆けだして
芝生の上で二度三度とトンボ返りを打って見せた
このとき 彼のポケットに残っていた飴玉が
きらきらとこぼれ落ちていった
おやつの袋にあんなに囚われていたのに
いまではひとつの車輪となって
ガラクタな思いからやっと逆立ちすることができ
彼はすっくと立って見せたのであった



| サブコンシャス・ポエム | 10:55 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
パルナサス博士の馬車 vs 軍艦茉莉号


人間の気まぐれによって滅び去っていったものたちが、鳥人間と魚人間のウエディングによってリカバリーされる物語『スワンスキン』(これに登場する仮面とDr.パルナサスの鏡に登場した仮面が偶然にも類似する)を今ぼちぼち描いておりますが、悩んでいることが一つありました。しかし、テリー・ギリアム監督の映画『Dr.パルナサスの鏡』を観ているうちにそんなものは吹っ飛んでいってしまいました。悩みの種はなんとも他愛ないもので、ドラゴンが跋扈する時代にクラシカルな格好をした主人公が馬ではなく、赤いオートバイに乗って走り回っている事柄についてでありました。どのみち荒唐無稽なお話しでしたので馬であろうがオートバイであろうがどっちだってかまやしなかったのですが、それなりの納得をいつも欲していたからです。

悩みが一瞬にして吹き飛んだ要因は馬車にありました。

『Dr.パルナサスの鏡』は見世物小屋の舞台を木造馬車の内部にパッケージングした古めかしい三層建ての住居兼用劇場として、2007年ロンドンの街角に突如! 登場させています。馬車はトロイの木馬のようでもあり、横ッ腹から可憐なユリの花ともオモチャともつかないような妖精や兵隊、魔法の鏡や森をがらがらポンと夜の空地へ咲かせて見せます。一座の長は1000歳以上だという老人で、その人こそがパルナサス博士であって、座員は十六歳になったら悪魔の花嫁にされてしまう博士の娘と若い曲芸師、それに頭の回転のはやい小人の四人等・・・そこへ橋の下で首を吊っていた男(ヒース・レジャー)が加わって、山高帽をかぶった悪魔(トム・ウェイツ)も騒がしく出入りしながら旅はいっそう面白くなってゆきます。

もうこの馬車を見ただけで強い力がはたらいて、チャチな悩みは治癒してしまいました。

斜め横へひッ傾いたノッポの馬車は、ジェノヴァやヴェネツィアのカラック船の船尾にあった船長室を彷彿させます。そしてその古さから、永遠に駆逐され漂流しつづけなくてはならない憐れな軍船をいやがうえにも妄想させます。船長は凄腕であるにもかかわらず、たえずなにかに脅えつづけている。このキャラクターはパルナサス博士そのものでありましたが、ボート競技の選手であり、美貌の青年であったにもかかわらず、関節炎から右脚を喪失せざるをえなかったヒロイックな詩人・安西冬衛がタロットカードの吊るされ男のようになってさえも吐露して見せた、あの有名な詩集『軍艦茉莉』の軍艦や艦長すら思いださせる。


・・・・・・略
私は艦長で大尉だつた。
娉娉(すらり)とした白皙(はくせき)な麒麟のやうな姿態は、
われ乍(ながら)麗はしく婦人のやうに思はれた。
私は艦長公室のモロッコ革のディヴァンに、
夜となく晝となくうつうつと阿片に憑かれてただ崩れてゐた。
・・・中略・・・
「茉莉」は疫病のやうな夜色に、
その艦首角(ラム)を廻しはじめた--------

                     安西冬衛『軍艦茉莉』より抜粋


安西冬衛の『軍艦茉莉』は、ヒース・レジャーが睡眠剤「アンビエン」を服用しながら鬱々としていたであろう実生活とオーバーラップしてならないが、現実的な生活だけではなく、映画の中においても不可思議なスタンスのまま突如、他界してしまった。Dr.パルナサスの“鏡”のむこう側へとヒースを本当に消滅させてしまったこの映画は、彼があまりにも素晴らしいはまり役だっただけに未完の感があることをいがめない。が、しかし、ヒースの意志を途中から引継いだジョニー・デップは束の間の登場であったにもかかわらず、ブルジョワの太っちょオバサンに代わってわたし自身を鏡の世界へぐいぐいと引きづり込んでやまなかった。

・・・さてもさて、トム・ウェイツは大好きなアーチストだが、今回はズバリ! 始終パイプ(キセルかな)をせっかちに持ち替えすぎてこちょこちょしていたのが玉に傷、役づくりにはりきり過ぎてまだまだでした。




| 映画 | 22:25 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
東京という名の仮面


































M,



| サブコンシャス・ポエム | 00:06 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
仮面の告白


テリー・ギリアム監督の『ブラザーズ・グリム』にみる深い森には沢山の道があって、道は素顔のわからない仮面のように人の心を惑わせている。そして、深い森の中心部には恐ろしい“鏡の魔女(女王)”が棲んでいるが、人はなぜかその奥深き内部へとそそられてゆく。まるで自身の深層意識をあばくがごとくに。




嬉しいのに悲しかったり、悲しいのに笑ったり、泣いたり怒ったり怖がったりと。あるいは、若いときの顔と年老いたときの顔。そんなふうにして、わたしたちはたえず仮面を被っているのではないだろうか。だから自分でさえ自分の素顔はわからない。




“鏡の魔女(女王)”とは大きな力なのでしょう・・・それはコンプレックスであり、葛藤であり、願望であり、記憶なのでしょうが、普段は隠されていて、夜ひとりぼっちになると奥の奥のほうから現れでて、わたしたち自身を深い森の中へと誘い込むのです。そして“鏡の魔女(女王)”と出合ったとしても、必ずしもそれが素顔ではないでしょうし、ひょっとすれば素顔であるかも知れない?! “鏡の魔女(女王)”とはそういうものであって、一筋縄ではいかないのです。しかし、マット・デイモンとヒース・レジャーが演じてみせた『ブラザーズ・グリム』のラスト・シーンのように、わたしたちは深層意識と深く出合うことが時にあるのです。そんなとき、村の子供達が甦ったように、わたしたち自身、“わたし”から甦ることができるのです。




これは少し大袈裟ですが、自分自身の心を甦らせることができると、いままでの“わたし”とは違ったわたし以上の力あるわたしと出合ったような気持ちになっていきます。しかし、これもまた仮面であるのかも知れません。そのようなところに人間の複雑さや醜さ、面白さや美しさがあるのでしょう。




映画『Dr.パルナサスの鏡』の前売り券は今日買ってきましたが、はたして、この映画はわたしたち自身を映す鏡のむこうにどのような深層意識を見せてくれるのでしょうか・・・早くこいこい25日?!!(この日に見るのだ) 

機会あればこんど魔法についてもたわいなく書いてみたいです。


P.S.考えてもみれば、むかしから仮面が好きでよく描いていたなと思ったので幾枚かアップしてみました。イラストレーターとしてデビューしてまもない1975年、雑誌『話の特集』で描いた(書いた)絵草紙「PLANETARIUM」では鷹の仮面を。そして、1978年度朝日広告賞・表現技術賞を頂戴した作品ではアイマスクをつけた少年たちを描いている。

そしていままた、これは偶然の一致か『Dr.パルナサスの鏡』に登場する仮面を去年から描いているが、発想の原点はフェデリコ・フェリーニ監督の映画『道』に登場する鳥人間・イル・マットから由来している。



| 映画 | 17:26 | comments(8) | trackbacks(0) | pookmark |
Dr.パルナサスの鏡


モンティ・パイソンでおなじみのテリー・ギリアム監督の映画『ブラザーズ・グリム』(2005)が今日の午後1:30からテレビ東京で放映されます。魅惑的で奇想天外なテリー・ギリアムの最新作『Dr.パルナサスの鏡』が23日から上映されるからでしょうか? あるいは、ヒース・レジャーがグリム兄弟の弟役で出演しているからでしょうか? まっ、なにはともあれダビングをしてあるので夜のやってくるのが今から待ちどうしいです。

ジョニー・デップやトム・ウェイツらが出演する『Dr.パルナサスの鏡』には仮面がでてきます。そんなこととも露知らず、昨年あたりから描いていたスワンスキン・シリーズの絵のキャラとかぶっているようで、映画『Dr.パルナサスの鏡』が見れるのを今や遅しとワクワクしております。

わたくしめの愚作、スワンスキン・シリーズの『スワンスキン』とはトム・ウェイツが出演しているエドワード・ゲディス監督&アン・ゲディス監督の共同作品『都会の夜の一幕寓話/ベアスキン』から頂戴しましたが、キノコがにょきにょきと生えている『アリス・イン・ワンダーランド』(ジョニー・デップとティム・バートン監督とのコラボレーション七作品目)や、『Dr.パルナサスの鏡』からはなにが飛びだすのでしょうか・・・?

              * * *

このことは余談ですがヒース・レジャーが急逝した亡きあと、ジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルの面々が後を受け継いで登場をしているが、彼ら三人の出演料は全額をヒースの遺児である娘マチルダ(当時2歳)に寄贈したとか、愛のレベルがどこかの国とは相当に違うな! と、感心させられました。



| 映画 | 16:07 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
ハートのジャック


千駄ケ谷にあります国立能楽堂のすぐ横で、いま開催されているギャラリー・エフでの「NEW YEAR'S EXHIBITION」展でご一緒している木野鳥乎さんから素敵なニュースが入りました。彼女は、わたしが出版した『山頭火さん』でお世話になった木耳社(もくじしゃ)から昨年『わたしの憂しい死神』というご本を上梓され、彼女の努力と才能によってフランスの出版社から『Tendre est La Mort』として出版され、この度はベルギーにて最優秀仏語絵本に贈られる2009 LIBBYLIT賞を獲得されたとのこと。

万歳! 万歳!! 万歳!!!

わたしが10年以上前に個展(ピンポイント・ギャラリー)で発表した『ハートのジャック』という絵本仕立ての原画展を彼女はよく覚えていて下さって、それら作品群をとても愛して下さっていたことがわかりました。

武骨もんのクジラ取りがあることを境に、海のパトロールをするというお話です。昨今話題になっているシーシェパード (Sea Shepherd Conservation Society)の活動を結果的には予測した物語になっていますが、そのころの日本にはまだまだ変な余裕があってか、『ハートのジャック』を当時ある有名な絵本出版の社長さんに見てもらったら「クジラの肉を食ったら旨かった的なラストにしてくれれば出版も可能!」というナンセンスな出来事がありました。わたしの未熟さへの当てつけだったかも知れませんが、以来、あまりのバカさにあっけにとられ、封印してしまった・・・というか、たぶんいくらかはもう散逸しているかも知れない。

だが、木野さんの優しい言葉によって、冷たくなっていたわたしの身体のどこか片隅の奥の奥のほうがポッと明らんで、その灯ですこし温かくなった。

              * * *

ギャラリー・エフでのオープニング・パーティーの日は雨が降り、やがてみぞれが降って、時にひらひらとした雪がちらつくほどの寒さ・・・そして、デザイン界の最重鎮であられた故田中一光氏のオープニング・パーティーがギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)で開催された日でもあってか、業界用語での“バッティング”!? どちらかといえば若い人たちの集いが目につく閑散としたパーティーだった。田中一光先生は突然にお亡くなりになったのでお仕事こそご一緒しなかったが、晩年の先生には随分と目をかけていただいたと思う。お手紙を幾度かいただいたこともあった。そんな大切なかたの展覧会をいまだ貧乏暇無しで拝見していないが、必ずに見る。


P.S.
今年は良い意味での脱力感に支配されてか? ブログを休むことが多々あると思いますが、これまでと変わることなく、お心温かいなお付き合いをどうか宜しくお願い申し上げます。軍艦茉莉號M艦長より



| 日々のアブク玉 | 10:20 | comments(6) | trackbacks(0) | pookmark |
2010 NEW YEAR'S EXHIBITION


ギャラリー・エフさん主催による毎年恒例の「NEW YEAR'S EXHIBITION」のための作品を搬入してきました。 今回のテーマは『Hello,Goodbye/出会いと別れ』です。

わたしは1/12(火)〜1/22(金)まで開催されるPart.1に「こんにちは、そして永遠にさようなら」という作品を出展致します。よろしければひやかしてみて下さい。初日の12(火)は夕方よりオープニング・パーティーがありますのでお気軽にどうぞ! 詳細は下記サイトを御覧下さい。


ギャラリー・エフ  http://www.tokyo-ef.com/


浅賀行雄・飯田 淳・會本久美子・門坂 流・金泉佐知子・河井いづみ
北田哲也・木野鳥乎・佐藤三千彦・さやか・七戸 優・下谷二助・建石修志
タムラフキコ・花井正子・マタキサキコ・松尾たいこ・矢吹申彦・山崎杉夫
吉田光彦・若尾真一郎(各氏らがPart.1の参加者です)

尚、このイベントはフィナーレを飾る灘本唯人さんや宇野亜喜良さんらが参加されているPart.5の3/8(月)〜3/19(金)まで開催されています。

さて、貴方のお目当ての方はどなたでしょうか?


| 日々のアブク玉 | 21:59 | comments(4) | trackbacks(0) | pookmark |
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